子育てと仕事を両立しながら資格取得を目指すのは容易ではありません。日々の忙しさに追われる中で学習時間を確保するだけでも一苦労です。でも、日商簿記の資格は将来のキャリアアップや副業の可能性を広げる強力な武器になります。
仕事と家庭の両立で精一杯の毎日を送りながらも、将来のために何か新しいスキルを身につけたいと考えている女性も多いと思います。特に会計知識は、どんな業界でも必要とされるスキルです。
実際に私が子育て中に日商簿記2級に独学で合格した経験から、限られた時間の中でも資格取得を実現するための具体的な方法をご紹介します。

・日商簿記の取得を検討しているが、時間確保に悩んでいる方
・隙間時間を活用して資格取得を目指している方
・キャリアアップや副業のために実践的な資格を探している方
日商簿記3級・2級の魅力とワーママが資格取得すべき理由とは?
忙しい毎日を送るワーキングマザーにとって、新たな勉強を始めることはハードルが高く感じられるでしょう。家事や育児、仕事に追われる中で、さらに勉強の時間を捻出するのは至難の業に思えます。
しかし、数ある資格の中でも日商簿記には時間投資に見合った大きなメリットがあります。汎用性が高く、段階的に学べる設計になっているため、忙しい女性でも自分のペースで学習を進められるのが魅力です。
日商簿記は企業の経理部門だけでなく、営業職や企画職、さらには自分で副業を始める際にも役立つ知識が身につきます。
日商簿記資格が持つ優れた特徴
日商簿記の最大の魅力は汎用性の高さです。会計知識は業種や職種を問わず評価される普遍的なビジネススキルとなります。企業の取り組みは最終的にお金につながるので、どの業種でも必要な知識と言えます。
育児や仕事のスケジュールに合わせて受験日を選べる点も働く女性には大きなメリットです。1級の試験は年2回、6月と11月に全国統一試験として実施されます。2級および3級の試験は、全国統一試験として年3回(6月、11月、2月)実施されるほか、随時受験可能なネット試験(CBT方式)も提供されています。子どもの行事や繁忙期を避けて計画が立てられます。
また、2級までは独学でも十分合格可能で、教材も比較的安価なのも嬉しいポイントです。高額な講座に通わなくても、テキストと問題集だけで合格を目指せます。
3級から始めて徐々にステップアップできる設計になっているため、無理なく段階的に学習を進められる点が魅力です。忙しいワーキングマザーでも、自分のペースで確実にスキルアップできます。
日商簿記の各級の概要と選び方
日商簿記には3級・2級・1級の3つのレベルがあります。自分の目的や現在の知識レベルに合わせて、どの級から始めるべきか考えましょう。
3級は基本的な商業簿記の知識を問う入門レベルで、独学なら120〜140時間程度の学習時間が目安です。初めて会計を学ぶ方や、まずは基礎から固めたい方におすすめです。
2級になると商業簿記に加えて工業簿記も出題範囲に含まれ、独学で250〜350時間程度の学習時間が必要になります。経理実務に役立つレベルであり、就職・転職時にアピールできる資格となります。
1級は最も難易度が高く、商業簿記・工業簿記に加えて会計学・原価計算も含まれます。独学では500時間以上の学習時間を要するため、まずは2級取得を目指すのが現実的でしょう。
会計知識がゼロの方はまず3級から始めるのがおすすめです。基礎をしっかり固めることで、2級への移行もスムーズになります。ただ、事務職経験がある方や数字に抵抗がない方なら、基礎知識を活かして2級に直接チャレンジするのも一つの選択肢です。
キャリアアップが目的なら、2級取得を当面の目標にするとよいでしょう。2級があれば経理実務に対応できるレベルとして評価されます。転職や就職活動中の方は、3級でも資格欄に記載できますが、2級を取得できればより強力な武器になります。
級 | 概要 | 対象者 | 合格率目安 | 学習時間目安(独学) |
---|---|---|---|---|
1級 | 上場企業レベルの経理・財務、管理会計、原価計算、連結会計などを扱う | 経理の専門職・公認会計士受験者 | 10% 前後 | 500〜700時間※1 |
2級 | 中小企業の経理、財務諸表の作成・分析、商業簿記・工業簿記が範囲 | 経理担当者、転職希望者 | 約10〜20% | 250〜350時間※2 |
3級 | 個人商店や小規模企業の経理実務の基礎知識、商業簿記を中心に学習 | 入門、学生 | 約30〜40% | 120〜140時間 |
※1:2級レベルの知識があるとみなす。
※2:3級レベルの知識があるとみなす。
子育て中でもできる!日商簿記の効率的な独学勉強法とスケジュール管理術
限られた時間で効率よく学習するためには、計画性と工夫が欠かせません。ワーキングマザーならではの時間の使い方を考えましょう。
まず大切なのは目標試験日から逆算して学習計画を立てることです。試験日が決まっていれば、そこから逆算して「いつまでに何を終わらせるか」という具体的なスケジュールが立てやすくなります。
無理のない計画を立てることも重要です。週末にまとめて勉強するよりも、平日に少しずつ継続して学習する方が効果的です。1日30分×週7日の方が、週末に3時間集中するよりも継続しやすく、知識の定着にも効果的です。
もし可能であれば、家族の協力を得ることも検討しましょう。家族の理解と協力があれば、さらに勉強時間を確保できます。パートナーや子どもに自分の目標を伝え、応援してもらえる環境を作りましょう。
子育て中でも続けられる学習時間の捻出法
子育て中のワーキングマザーは、まとまった時間を確保するのが難しいものです。そこで、日常の中で見つけられる「隙間時間」を効果的に活用する方法を考えましょう。
朝型勉強法は効果的な方法の一つです。子どもが起きる前の早朝30分を活用すれば、誰にも邪魔されずに集中して学習できます。朝は頭も冴えているため、効率よく学習を進められるでしょう。
通勤時間、昼休み、子どもの習い事の待ち時間なども貴重な学習時間です。スマートフォンやタブレットを活用すれば、移動中や待ち時間も無駄にせず学習に充てることができます。
子どもの就寝後の1時間も有効活用しましょう。家事が一段落ついた夜の時間帯は、比較的まとまった学習時間が確保しやすいです。疲れていても、簡単な問題を解くだけでも継続することが大切です。
スマホでの学習も効果的です。簿記学習アプリを活用すれば、隙間時間にちょっとした問題を解いたり、用語の確認をしたりできます。いつでもどこでも学習できる環境を整えておくことが重要です。
私が実践した成功パターン
私が実際に子育てをしながら簿記2級に合格したときの具体的な時間の使い方と工夫を紹介します。
平日は通勤時間片道30分と、できる日は夜22:00〜24:00の2時間を学習に充てていました。子どもを寝かしつけてそのまま寝てしまうこともありましたが、長期戦と思ってそこは気にしないようにしていました。電車内では基本的な用語の暗記や簡単な計算問題を解き、夜の時間帯には複雑な問題に取り組むという使い分けをしていました。
週末も平日同様、夜22:00〜24:00の2時間を確保していました。土日は家族との時間を大切にしたかったのと、生活リズムを大きく変えたくなかったので、平日と同じように子どもが寝た後の時間を有効活用していました。
効率化のために行った工夫としては、テキストをPDF化してタブレットで持ち歩き、通勤時間に読むようにしていました。また、本来過去問を解く時は、1回分を本番と同じ時間を使い時間配分を身につけたいところですが、まとまった時間を取ることが難しいため、大問ごとに時間を測って解くようにしていました。「この大問は何分で解く」と目標を決めていれば、細切れ時間でも十分過去問の練習になったと思います。
これにより、短い時間でも効率よく学習を進めることができました。特に重要だったのは「継続すること」。たとえ15分でも毎日続けることで、少しずつですが確実に知識が積み重なっていきました。
日商簿記の独学合格におすすめの教材&使い方【3級・2級対応】
独学で日商簿記に合格するためには、自分に合った教材選びが重要です。実際に使用して効果があった教材を紹介します。
テキスト選びでは何よりもわかりやすさを重視しましょう。TAC、ネットスクール、クレアールなど、有名な出版社から多くの教材が出ていますが、書店で実際に手に取って中身を確認することをおすすめします。自分の理解しやすい表現や図解が使われているものを選ぶことが大切です。
問題集は解説が詳しいものを選びましょう。単に答えだけでなく、解答プロセスが丁寧に説明されているものが理想的です。独学の場合、わからない部分を自分で解決する必要があるため、詳しい解説は非常に重要です。
過去問題集も必須アイテムです。直近3年分は最低限解いておくべきでしょう。出題傾向や難易度を把握するためにも、本番と同じ時間配分で解く練習をしておくことをおすすめします。
デジタル教材の活用法
紙の教材だけでなく、デジタル教材も効果的に活用しましょう。特にスマホアプリは通勤時や待ち時間に活用できて便利です。用語の暗記や簡単な計算問題を解くのに適しています。
YouTube無料講義も活用しましょう。基本概念の理解に役立つチャンネルが多数あります。特に理解が難しい分野は、異なる講師の説明を聞くことで理解が深まることもあります。
オンライン講座も選択肢の一つです。自分のペースで進められるVOD講座なら、忙しいワーキングマザーでも無理なく学習を進められます。わからない部分を繰り返し視聴できるのも大きなメリットです。
おすすめ学習ツールとその使い分け
実際に使用して効果があった具体的な教材名と、それぞれの特徴・使い方を紹介します。
入門テキストとしては「スッキリわかる日商簿記」シリーズがおすすめです。図解が多く、初学者にもわかりやすい説明が特徴です。基本概念の理解に最適です。
問題演習には「合格するための過去問題集」が効果的でした。解説が詳しく、間違えた問題を理解するのに役立ちます。特に頻出問題を重点的に解けるため、効率よく対策できます。
スマホアプリでは「簿記3級・2級 問題集(無料)」が便利でした。通勤中や待ち時間に手軽に問題を解けるため、隙間時間を有効活用できます。
最終仕上げには「模擬試験問題集」が役立ちます。本番と同じ形式で時間を測りながら解くことで、試験本番の感覚をつかめます。特に時間配分の練習になるため、試験直前の対策におすすめです。
育児と勉強を両立するコツ|挫折しないための時間術とメンタル管理
資格試験の学習中には様々な壁に直面します。特に子育てとの両立は想像以上に大変なものです。
よくある挫折パターンとして「時間が取れない」という問題があります。平日日中は仕事をして、帰宅後は家事や育児に終われ、自分の時間を取ることは簡単ではありません。学習が思うように進まないと、焦りやイライラが生まれることもあります。
そんなときは、小さな成功体験を積み重ねることが大切です。一日一問でも解けば、それが自信につながります。少しずつでも前進していることを実感できれば、モチベーション維持につながります。「今日はこの問題が解ければOK」「このページが読めれば合格」等、達成可能なゴールを設定しましょう。
理解が進まない場合は、一度基礎に戻って再確認することも有効です。焦って先に進むよりも、わからない部分をしっかり理解してから次に進むことが結果的には近道になります。
モチベーションが低下したときは、明確な目標設定と小さな達成感を大切にしましょう。「資格を取って転職する」「昇給につなげる」など、資格取得後の具体的なイメージを持つことで、勉強へのモチベーションを維持できます。
ワーキングマザー特有の困難とその解決策
子どもの急な発熱など、予定外の出来事で学習計画が狂うことは本当によくあります。そんなときは、柔軟に計画を立て直すことが大切です。完璧を求めすぎず、その日できることをするという心構えが重要です。
家事との両立も大きな課題です。効率的に家事をこなすコツを見つけたり、時には休みの前の日は家事を少し手を抜いたりしながら、最低限の学習を継続する工夫が必要です。一日15分でも継続することが、長い目で見れば大きな差になります。
自分時間の確保も重要です。パートナーや家族とのコミュニケーションを密にし、お互いの時間を尊重し合える関係を築きましょう。可能な方は「今日は1時間勉強したいから子どもを見ていてほしい」と具体的に伝えることで、協力を得やすくなります。
モチベーション維持のための工夫
学習仲間を作ることもモチベーション維持に効果的です。SNSやオンラインコミュニティで同じ目標を持つ仲間と励まし合えば、一人では乗り越えられない壁も乗り越えられるかもしれません。
小さな目標を設定するのも有効です。「今日は一つの仕訳パターンを覚える」など、達成可能な小さな目標を立てることで、日々の達成感を得られます。
そして何より大切なのは、合格後のビジョンを明確にすることです。資格取得後の具体的なキャリアプランを考えておくことで、「なぜ今勉強しているのか」という原動力になります。
まとめ
日商簿記の資格取得は、子育てと仕事を両立する忙しい毎日を送る女性にとっても、決して手の届かない目標ではありません。朝の30分、通勤時間、子どもの就寝後の時間など、日常にある隙間時間を活用し、無理のない学習計画を立てることが成功への近道です。
途中で挫折しそうになっても、小さな目標を立てて達成感を積み重ねることで、確実に前進できます。家族の理解と協力を得ながら、自分のペースで進めることが大切です。
資格取得はゴールではなく、新たなキャリアステージへの第一歩です。簿記の知識は、経理職はもちろん、営業や企画、マーケティングなど様々な職種で評価される普遍的なビジネススキルとなります。さらに副業や独立の際にも強い味方になることでしょう。
忙しい日々の中でも諦めずにスキルアップを実現できたという経験は、何よりも大きな自信となり、次の挑戦への原動力になります。まずは自分に合った方法で一歩を踏み出してみませんか?
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